トラブルシューティング (レイヤーシフト)
2023年の12月29日事です。急に3Dプリンタ(2号機)の印刷品質がひどいことになりました。
もう、ガッタガタで見るに堪えない感じです。
ここまでひどいクオリティは見たことが無く、大きなショックを受けました。
前日に造形に失敗して、ホットエンドにPLAの塊が大量に付着しました。
デブリ除去する際になんかやってしまったのかと思ってよく見たら、ヒートケーブルが断線しそうになっているではないですか。
熱がうまく回らなくなったのに違いない。そう思い、新しい部品を注文しました。
修理時間がなかなか取れずに放置していたのですが、1号機もトラブルでダウンしてしまいました。
これではまずいので2号機の修理を再開することに。
ホットエンド交換は1時間程度で終了です。こんなに簡単ならもっと早くやっておけばよかった。
新品にしたのでこれで大丈夫。そう思ってテストプリントしましたが状況は変わらず。
新しい部品にしたのに全く変化ありません。
Prusaにはセルフテスト機能があり、ホットエンド、ベルト、センサーなど主要な部品の動作チェックが行えます。
これらは正常にパスしています。ではなぜ?
絶望しました。もうこいつはダメなんじゃないかと。
G-Codeを疑ってもみましたが、1号機では正常に造形できているので原因ではないと判断。
造形に失敗したモデルをよく観察すると、レイヤーシフトが起きていることがわかりました。
X軸ではなくY軸にのみずれています。Z軸は正しいこともわかります。
ハードに起因する可能性が高くなりました。
Y軸を中心にプリンタをチェックしました。ベルトテンションは問題ありません。
しかし、前後に動きが変わる時にわずかにカクっとします。わずかです。
1号機では見られない症状。
この違和感の正体を調べました。
もしやプーリーのガタツキ?。念のためイモネジを絞め直してみました。
再びビルドプレートを動かすと、先ほどのカクっとした違和感はなくなりました。
ん、これが原因だったのか?
そう思ってテスト再開。やりました。治りました。
ネジのゆるみだけでこんなにひどい症状がでるなんて。しかも突然。
【考察】
セルフテストにパスしたことでハードウェアに起因すると思わなかった。
イモネジが緩むなんて考えてもいなかった。
造形物を観察すれば、熱による品質低下ではなく、レイヤーシフトが原因であることは推測できた。
ケーブルが断線しかかっている。という目の前の事象にとらわれていた。
【まとめ】
観察はとても大切であることを学びました。
遠回りではありましたが、ハードウェアトラブルが要因だと帰結できました。
自分でプリンタを組み上げたのは本当に大きいです。構造がわかっているので、チェックする場所を絞ることができました。
3Dプリンタのトラブルシュートは難しいこともありますが、必ず原因があります。
事象をよく観察することが大切ですね。