さらば吸湿。電気式防湿庫の導入

みなさん、こんにちは。3Dプリンタ工房ヘクタールの島影です。
今回は、当工房で防湿庫の導入についての記事です。 3Dプリンタを使用する上で、フィラメントの吸湿は大きな問題となります。
吸湿したフィラメントを使用すると、造形失敗につながり、ストレスを感じることもあるでしょう。
吸湿の症状としては、ノズルからプチプチと気泡が破裂する音がしたり、糸引きが増えたり、表面の荒れや定着不良が発生したりします。
これらの症状は、印刷設定の変更やベッドの清掃では抑えるのが難しいのです。


そこで、当工房ではHOKUTOのHP-88EX防湿庫を導入しました。容量は88Lで、価格は約3万円と高めですが、フィラメントを無駄にするよりは投資する価値があると判断しました。現在使用している防湿庫の容量は27Lなので、約3倍の大きさになります。

一眼レフを上段に収納し、トレーを一つ外せば9巻のフィラメントを収納できます。快適に使用するなら7巻程度でしょう。フィラメント専用にすれば、10巻以上は入るので、ヘビーユーザーの方にもおすすめです。

今まではナカバヤシのキャパティ ドライボックス 防湿庫 27Lを使用していました。
フィラメントは5巻程度収納できましたが、定期的に乾燥材をレンジで復活させる必要がありました。
湿度の高い5月から11月までは2週間に一度、冬場は1か月に1回程度の頻度で行っていました。
作業自体は10分ほどですが、忙しい時は忘れてしまうこともあり、吸湿したフィラメントを使ってしまった時は自己嫌悪に陥ることもありました。
泣く泣く電気乾燥庫で復活の儀式をしてからプリントします。


一般的に、フィラメントは湿度20~30%RHで保管するのが理想的とされています。当工房のある会津若松の年間平均湿度は70%RHと高いため、常に除湿が必要不可欠です。冬場は吸湿のリスクが低いものの、5月から11月までは特に注意が必要です。

利用頻度の低いフィラメントは、真空包装機で長期保管するのがおすすめです。
当工房ではSUREの真空包装機脱気式 NL-302S-5WAを使用しています。


万が一フィラメントが吸湿してしまった場合は、電気乾燥庫で復活させることができます。
農園も営んでいるので、ドライフルーツ用の乾燥機を共用しています。農家と3Dプリンタは変なところで相性が良い。
43度で4時間以上乾燥させることで、ある程度は元の状態に戻ります。ただし、完全に元通りになるわけではないので、注意が必要です。

フィラメントの吸湿は、3Dプリンタユーザーにとって頭を悩ませる問題です。防湿庫の導入と管理により、ストレスを軽減することができます。
皆さんも、大切なフィラメントを守るために防湿庫の導入を検討してみてくださいね。
新しいプリンタを買う前に防湿庫!